最終更新:2026年9月4日
📅 この記事の情報は2026年7月現在のものです
モバイルバッテリーの膨らみは、内部でガスが発生している可能性を示す異常サインです。 1mmでも目に見えて膨らんでいる、側面が平らではない、外装が浮いている、すき間が広がっている場合は、充電・使用を続けないでください。
- 充電中なら、まずコンセント側からケーブルを外す
- 発熱・異臭・煙・液漏れがある場合は距離を取り、必要に応じて119番へ相談する
- 可燃物・直射日光・熱源から離して一時保管する
- 普通ごみ・不燃ごみに出さず、メーカー・自治体・回収窓口へ処分方法を確認する
マダリ
でもさ、これって中に電気がぎゅうぎゅうに詰まってるってことじゃない?
3,000円したこの子、まだ元を取れてない気がするの!
たぶん今が一番、コスパの山場だよね!
モバイルバッテリーの膨張は、「ちょっと形が変わっただけ」では済まない場合があります。内部には可燃性の電解液を含むリチウムイオン電池があり、劣化・高温・衝撃・過充電などによって発熱、発煙、発火につながるおそれがあります。
この記事では、モバイルバッテリーが膨らむ原因、事故データ、今すぐやるべき安全確保、正しい処分方法、次に選ぶときの確認ポイントまで、NITE・JBRC・経済産業省・国土交通省などの公式情報をもとに整理します。
📑 目次
モバイルバッテリーはなぜ膨張するのか
モバイルバッテリーの多くには、リチウムイオン電池が使われています。リチウムイオン電池は小型・軽量で大きな電力を取り出せる一方、内部には可燃性の電解液が含まれています。
膨張の主な原因は、劣化や高温、過充電、衝撃などによって内部の電解液や材料が分解され、ガスが発生することです。発生したガスが外装や電池セルを内側から押し広げると、ケースが浮いたり、側面が丸くなったり、スマホや机の上でガタつくようになります。
膨張を起こしやすい主な原因
- 経年劣化:充放電を繰り返すことで内部材料が劣化し、容量低下やガス発生につながることがあります。
- 高温環境:夏の車内、直射日光の当たる窓際、暖房器具の近くなどは電池に大きな負荷をかけます。
- 強い衝撃:落下・圧迫・踏みつけなどで内部のセパレータが損傷すると、内部ショートの原因になります。
- 充電しっぱなし:保護回路があっても、長時間の満充電状態や高温下での充電は劣化を早める場合があります。
- 規格不明品・粗悪品:PSEマークや販売元情報が不明な製品は、安全保護機能を確認しにくくなります。
出典:NITE「夏バテ(夏のバッテリー)にご用心~『リチウムイオン電池搭載製品』の火災事故を防ぐ3つのポイント~」
「膨らみが少しだけ」でも様子見しない
膨張は、外から見える段階ですでに内部の異常が進んでいる可能性があります。押して戻るか、充電できるか、残量表示が正常かどうかは、安全の判断材料にはなりません。
特に、次の状態がある場合は注意が必要です。
- 外装が浮いている
- 平らな机に置くとガタつく
- ケースの継ぎ目にすき間がある
- 充電中に以前より熱くなる
- 甘酸っぱいような溶剤臭、焦げ臭いにおいがする
- 液漏れ、煙、変色、端子の焦げがある
このような異変がある場合は、充電・使用を中止してください。におい、熱、煙、液漏れは、危険度が高いサインです。
ステバン刑事
可燃性電解液を含む電池内部で、ガス発生や劣化が進んだサインなんだ。
押す、穴を開ける、充電を続ける。
どれも内部ショートのリスクを上げる。
膨張したバッテリーを放置すると何が危ないのか
NITEによると、2020年から2024年までの5年間に通知された「リチウムイオン電池搭載製品」の事故は1,860件で、その約85%にあたる1,587件が火災事故に発展しています。モバイルバッテリーやスマートフォンなど、身近な製品でも事故は起きています。
事故は春から夏にかけて増え、6月〜8月にピークを迎える傾向があります。暑い時期に車内や窓際へ置いたままにする使い方は、特に避けたい保管方法です。
| 状態 | 起きている可能性 | 対応 |
|---|---|---|
| わずかに膨らんでいる | 内部でガスが発生している可能性 | 使用・充電を中止し、処分方法を確認 |
| 目で見て明らかに膨らんでいる | 劣化やガス蓄積が進んでいる可能性 | 可燃物から離し、早めに相談 |
| 熱い・臭い・煙・液漏れがある | 発煙・発火につながる異常の可能性 | 近づきすぎず、119番相談も検討 |
| 外装が割れている・変形が大きい | 内部損傷やショートの可能性 | 無理に持ち運ばず、自治体や消防へ相談 |
出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」
ごみ収集車・処理施設での発火も起きている
膨張したモバイルバッテリーを普通ごみや不燃ごみに混ぜると、ごみ収集車や処理施設で圧縮・破砕された際に発火するおそれがあります。
NITEは、ごみに混入したリチウムイオンバッテリーの発火などによる被害額が、2018年度から2021年度の4年間で約111億円に達したと公表しています。これは「自宅で使わないから終わり」ではなく、回収・処理に関わる人や施設にも危険が及ぶ問題です。
出典:NITE「『ごみ捨て火災』、被害は100億円超え!~充電式電池は正しく捨てましょう~」
膨張に気づいたら今すぐやること
膨張に気づいたら、まずは「原因を調べる」より先に安全確保です。焦って押したり、分解したり、充電を続けたりしないでください。
手順1:充電・使用を中止する
充電中の場合は、可能であればバッテリー本体側ではなく、先にコンセント側・充電器側から電源を外します。無理にケーブルを引っ張ったり、熱くなった本体を強く握ったりしないでください。
手順2:発熱・異臭・煙・液漏れを確認する
手で長く持たず、見た目とにおいを確認します。発熱、異臭、煙、液漏れ、外装の破損がある場合は、危険度が高い状態です。近くの可燃物を離し、自分も距離を取ってください。
煙や火花が出ている、焦げ臭い、触れないほど熱い場合は、家庭内で処理しようとせず119番へ相談してください。
手順3:可燃物から離して一時保管する
すぐに処分先へ持ち込めない場合は、以下を目安に一時保管します。
- 直射日光、暖房器具、コンロ、布団、紙類、カーテンから離す
- 可能なら金属製の缶や不燃性の容器に入れる
- 密閉しすぎず、発熱・煙などの異常がないか確認できる場所に置く
- 端子が露出している場合は、絶縁テープやビニールテープで端子を覆う
- 長期保管せず、翌日以降できるだけ早く処分方法を相談する
やってはいけないNG行動
| NG行動 | 危険な理由 |
|---|---|
| 穴を開けてガスを抜く | 可燃性の電解液や内部材料に触れ、発火・けがにつながるおそれがあります。 |
| 押し込んで元に戻す | 外力で内部ショートが起き、異常発熱するおそれがあります。 |
| 冷蔵庫・冷凍庫に入れる | 結露によるショートや、食品への影響が心配です。電池の劣化も元に戻りません。 |
| 水に浸けて保管する | 発火前の保管方法としては不適切です。ショートや液漏れの原因になります。 |
| 普通ごみ・不燃ごみに出す | 収集車や処理施設で圧縮・破砕され、発火事故につながるおそれがあります。 |
マダリ
私、この子にしてあげられること、急になくなっちゃったかも……!
でもさ、何もしないって、逆にすごく大人の対応ってこと?
たぶん今、私の判断力がちょっと高級モデルになってる!
ステバン刑事
何もしないことが、内部ショートを避ける行動になる。
可燃性電解液を含む電池に外力を加えない。
それが最初の安全策なんだ。
出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」
膨張したモバイルバッテリーの正しい処分方法
膨張したモバイルバッテリーは、普通ごみや不燃ごみに混ぜず、処分ルートを確認してから手放します。地域や製品の状態によって受け入れ可否が異なるため、「どこでも回収ボックスに入れればよい」と考えないことが大切です。
まず確認する相談先
- メーカーのサポート窓口:製品型番、購入時期、膨張状態を伝えて、回収や処分案内があるか確認します。
- 自治体のごみ担当窓口:膨張していることを伝え、通常回収ではなく安全な出し方を確認します。
- 回収協力店:持ち込み前に、膨張品の受け入れ可否を電話などで確認します。
JBRC回収ボックスに入れる前の注意
JBRCは、小型充電式電池の回収・リサイクルを行う団体です。ただし、JBRCの回収対象は条件があります。公式サイトでは、JBRC会員企業製であること、電池種類が明確であること、破損・水濡れ・膨張などの異常がないことなどが条件として示されています。
つまり、膨張したモバイルバッテリーを通常の回収ボックスへそのまま入れるのは避けてください。持ち込む場合も、事前に店舗や自治体へ状態を説明し、指示に従う必要があります。
出典:JBRC「小型充電式電池のリサイクル|回収対象・対象外説明」 / JBRC「協力店・協力自治体検索」
処分前にしておきたい絶縁処理
自治体や回収窓口へ持ち込む際は、端子部分が金属に触れてショートしないよう、テープで覆う「絶縁処理」が推奨されます。セロハンテープよりも、絶縁テープやビニールテープが扱いやすいです。
- 端子の金属部分をテープで覆う
- 強く押さえつけない
- 袋の中で金属類や鍵と一緒にしない
- 発熱・異臭・液漏れがある場合は無理に持ち運ばない
状態が悪い場合は、無理に持ち込まない
外装が破れている、液漏れしている、煙が出た、異臭が強い、触れないほど熱い。このような場合は、店舗へ持ち込む途中で危険が増す可能性があります。
まずは自治体の環境・ごみ担当窓口、メーカー、または消防へ電話で相談してください。安全な保管場所や持ち出し方法を確認してから動くほうが安全です。
寿命と買い替えサインの見分け方
モバイルバッテリーは、見た目がきれいでも内部の劣化が進んでいることがあります。寿命は製品や使い方によって異なりますが、リチウムイオン電池は充放電を繰り返すほど容量が低下します。
一般的には、充電サイクル約300〜500回が寿命の目安として扱われることが多いです。毎日使う場合は1〜2年程度で劣化サインが出ることがあります。ただし、使用頻度が低くても、高温保管や落下があると劣化は早まります。
膨張以外の劣化サイン
- フル充電しても以前よりスマートフォンを充電できる回数が減った
- 充電中や使用中に本体が以前より熱くなる
- 残量表示が急に減る、または表示が不安定
- 充電が途中で止まる
- ケーブルや端子が焦げている、変色している
- 異臭がする
- 落下・水濡れ・強い圧迫を受けたことがある
- 購入から数年経過し、使用頻度や保管状態を覚えていない
膨張していなくても、発熱・異臭・端子の焦げ・充電異常がある場合は、使用を中止してメーカーや販売元に相談してください。
長く安全に使うための保管・使用ポイント
- 高温を避ける:夏の車内、直射日光、暖房器具の近くに置かない。
- 衝撃を避ける:落とした、踏んだ、重い荷物で圧迫した場合は外装を確認する。
- 異常時は使わない:熱い、臭い、膨らんだ、煙が出た場合は使用を中止する。
- 長期保管は状態確認:防災用などでしまいっぱなしにせず、定期的に膨張・液漏れ・端子の変色を確認する。
- リコール情報を確認:メーカーやNITE SAFE-Liteなどでリコール対象ではないか確認する。
出典:NITE「正しく購入する・正しく使用する・正しく対処する」 / NITE SAFE-Lite
次に選ぶときの安全確認ポイント
膨張したバッテリーを処分したあとは、次の製品選びでも「安さ」だけを基準にしないことが大切です。特定の購入先ではなく、確認できる情報を重視しましょう。
PSEマークを確認する
経済産業省は、モバイルバッテリーを電気用品安全法の規制対象としています。2019年2月1日以降、PSEマークのないモバイルバッテリーは、流通在庫を含め販売禁止とされています。
PSEマークは安全性の最低条件です。ただし、PSEマークがあれば雑に扱っても安全という意味ではありません。高温、衝撃、劣化、異常な充電環境は避ける必要があります。
出典:経済産業省「電気用品安全法|モバイルバッテリーについて」
販売元・保証・製品情報を確認する
- メーカー名・販売元・問い合わせ先が明記されている
- PSEマーク、型番、容量、定格出力、定格入力が確認できる
- 保証期間やサポート窓口が確認できる
- リコール情報を確認できる
- 説明書や注意事項が日本語で確認できる
フリマアプリや個人間取引では、未使用と書かれていても、購入時期・保管環境・落下歴・充電回数を完全に確認できない場合があります。モバイルバッテリーは発熱・発火につながる可能性がある製品なので、状態や履歴が不明なものは避けるのが無難です。
飛行機に持ち込む場合のルールも変わっている
国土交通省は、モバイルバッテリーの航空輸送について、預け入れ荷物に入れることを禁止し、個数・容量にも制限を設けています。さらに2026年4月24日からは、機内持込みのモバイルバッテリーは2個まで、160Wh以下に限る、機内でモバイルバッテリーへの充電や他機器への充電をしない、という新ルールが適用されています。
膨張・損傷・異臭などがあるバッテリーは、旅行に持って行かず、出発前に処分方法を確認してください。
出典:国土交通省「モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて」
よくある質問(FAQ)
モバイルバッテリーが膨らんでいても使い続けていいですか?
使用を中止してください。膨張は、内部のリチウムイオン電池で電解液の分解や劣化が進み、ガスがたまっている可能性を示す異常サインです。充電・使用を続けると発熱、発煙、発火につながるおそれがあります。NITEも、異常を感じたらすぐに充電・使用を中止するよう注意喚起しています。ケーブルを外し、可燃物から離して保管し、メーカー・自治体・回収窓口へ処分方法を相談してください。
膨らんだモバイルバッテリーはどこに捨てればいいですか?
普通ごみ・不燃ごみには出さないでください。ごみ収集車や処理施設で圧縮・破砕された際に発火する事故が起きています。まずはメーカーのサポート、お住まいの自治体のごみ担当窓口、または回収協力店に相談します。JBRCの回収対象は会員企業製で、破損・水濡れ・膨張などの異常がない電池が基本です。膨張品は通常の回収ボックスへ入れず、事前に受け入れ可否を確認してください。
モバイルバッテリーの寿命はどれくらいですか?
製品や使い方によって異なりますが、リチウムイオン電池は充放電を繰り返すほど容量が低下します。一般的には充電サイクル約300〜500回が目安として扱われることが多く、毎日使う場合は1〜2年程度で劣化サインが出ることがあります。膨張、異常発熱、充電してもすぐ切れる、充電が途中で止まる、異臭がする、購入から数年経っているといった場合は、無理に使い続けず点検・処分・買い替えを検討してください。
膨らんだバッテリーに穴を開けてガスを抜くのはダメですか?
穴を開けたり、押し込んで元に戻そうとしたり、分解したりしないでください。リチウムイオン電池には可燃性の電解液が含まれており、外力で内部ショートが起きると異常発熱や発火につながるおそれがあります。NITEの資料でも、膨張したモバイルバッテリーを押し込んだ際に内部ショートして発火した事例が紹介されています。膨張した電池を家庭で復活させる方法はありません。安全に保管し、処分ルートを確認してください。
📝 マダリちゃんの「今回の学び」
ステバン刑事
外力を加えず、安全に処分する対象なんだ。
マダリ
元を取る前に、私の部屋が焦げちゃったら意味ないもんね……!
でもさ、手放すって損じゃなくて、次の安全を買う準備なのかも!
この子はここで卒業して、次の子とはちゃんとPSEマークからお付き合いするの!
……つまり、次の子とはもっと上手に付き合えるってことだよね!
(コスパ計算の単位が、ようやく「円」から「安全」に変わったらしい。)
まとめ|膨張バッテリーは「使わず、押さず、正しく相談」
モバイルバッテリーが膨張したら、充電・使用を中止してください。膨張は内部でガスが発生している可能性を示す異常サインであり、発熱・発煙・発火につながるおそれがあります。
- 膨張したモバイルバッテリーは使い続けない
- 穴あけ・分解・押し込み・水没保管をしない
- 発熱・異臭・煙・液漏れがあれば距離を取り、119番相談も検討する
- 普通ごみ・不燃ごみに出さない
- メーカー、自治体、回収協力店へ状態を伝えて処分方法を確認する
- 次に選ぶときはPSEマーク、販売元、保証、リコール情報を確認する
「少し膨らんでいるだけ」「まだ充電できる」「もったいない」という判断は、発火リスクを見落とす原因になります。膨張したモバイルバッテリーは、長く使う工夫ではなく、安全に手放す準備が必要な状態です。
今手元に膨らんだモバイルバッテリーがある場合は、まず充電・使用をやめてください。そのうえで、可燃物から離して一時保管し、メーカーや自治体、回収窓口へ処分方法を確認しましょう。
出典:JBRC「小型充電式電池のリサイクル|回収対象・対象外説明」

