📅 この記事の情報は2026年4月現在のものです
マダリ
でもこれって、中にエネルギーがパンパンに詰まってる証拠だよね。
筋トレした後の筋肉みたいに、パンプアップしてるだけなの。
むしろ今が一番パワーがある状態だと思う。
パンプアップしているのはバッテリーではなく、内部で発生した可燃性ガスである。筋肉と違って、この膨らみは「鍛えられた証」ではなく「爆発の予兆」だ。とはいえ、モバイルバッテリーが膨らんでいるのを見つけたとき、「まだ使えるんじゃないか」「そのうち戻るんじゃないか」と思ってしまう気持ちは分からなくもない。
しかし結論から言えば、膨張したモバイルバッテリーに「様子見」という選択肢は存在しない。この記事では、膨張の化学的メカニズムからNITEが公表した実際の事故データ、今日中にできる安全な処分ルート、そして次に失敗しないバッテリーの選び方まで、公的機関の情報をもとに徹底解説する。「あのとき読んでおいてよかった」と思える一本にしたので、最後まで付き合ってほしい。今まさに膨らんだバッテリーを前にしている方は、第3章の安全確保ステップから読み始めることをおすすめする。
- リチウムイオン電池が膨らむ化学的なメカニズム(なぜガスが発生するのか)
- NITEの公式データで見る、膨張バッテリーの本当の事故リスクと発生件数
- 膨張を発見した直後にすべき安全確保の手順(5分でできる行動フロー)
- JBRC回収ボックスを使った正しい処分方法と、近くにない場合の代替ルート
- 買い替えタイミングの正しい判断基準と、次に選ぶべき安全なバッテリーの条件
📑 目次
モバイルバッテリーはなぜ膨らむのか?原因を正しく知ろう
「なんとなく危なそう」ではなく、なぜ危険なのかを理解することが最初の一歩です。膨張のメカニズムを知れば、適切な対処がとれるようになります。
リチウムイオン電池の内部で何が起きているか
モバイルバッテリーの内部には、リチウムイオン電池(Li-ion)が搭載されています。この電池は、正極板・負極板・セパレータ(絶縁膜)の3層構造で構成されており、正極と負極の間をリチウムイオンが行き来することで充放電を繰り返す仕組みです。内部は可燃性の電解液(有機溶媒)で満たされています。
膨張の正体は、この電解液が分解されて発生する可燃性ガスです。電解液は「酸化分解」と「還元分解」という2つの化学反応によって気体を生み出します。
- 正極側(酸化分解):電圧が設計上限を超えた状態(過充電)や高温にさらされると、電解液が酸化されてCO₂などのガスが発生します。
- 負極側(還元分解):充放電を繰り返すうちに、負極の表面に被膜(SEI膜)が形成・崩壊を繰り返し、電解液が還元されてガスが生じます。
このガスが電池のラミネートパックや外装内に蓄積されることで、バッテリーが内側から押し広げられ、あの”膨らみ”として現れます。NITEの資料でも「膨らんだリチウムイオン電池の内部には可燃性ガスがたまっている」と明記されています。
出典:NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」(2025年6月)
膨張を引き起こす3大原因
膨張は突然起きるものではありません。主な原因は次の3つです。
- ① 過充電:設計上限電圧を超えた充電が続くと、電解液の分解が加速します。「充電しっぱなし」の習慣はこのリスクを高めます。
- ② 劣化(経年):充放電を繰り返すことで電池材料が少しずつ劣化し、ガス発生量が増加します。古いバッテリーほど膨張しやすくなります。
- ③ 物理的衝撃:落下や圧迫によって内部のセパレータが損傷すると、内部ショート(正極と負極の直接接触)が起きて異常発熱し、ガスが急発生します。
マダリ
それなら冷蔵庫に入れればいいんじゃないかな。
炭酸飲料も冷やすとシュワシュワが落ち着くでしょ。
同じ原理で、冷やせばガスが収まるはずなの。
ステバン刑事
冷蔵庫に入れると結露が発生する。
結露の水分が端子に触れれば、ショートして発火する。
つまりキミの冷蔵庫が火元になるということなんだ。
食材を道連れにするのはやめてもらおうか。
「安い製品は危険」は本当か?
結論から言うと、PSEマーク(電気用品安全法の適合マーク)のない製品は法律で販売が禁止されています。経済産業省は2019年2月1日以降、PSEマークのないモバイルバッテリーの流通在庫を含む販売を全面禁止しました。
PSE未取得品が危険な理由は構造上の問題にあります。正規品は過充電保護回路・短絡(ショート)保護回路・温度保護回路を内蔵することが求められていますが、規格外品ではこれらの安全装置が省略・不正確である場合があります。NITEも「安価な非純正バッテリーでは、異常発生時に安全保護装置が作動しない場合がある」と警告しています。
超格安のネット通販品には特に注意が必要です。「連絡先が確かな日本語対応のメーカー・販売店から購入する」ことが基本原則です。
出典:経済産業省「電気用品安全法 トピックス|モバイルバッテリーについて」
出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」(2025年6月)
膨張したバッテリー、放置したらどうなる?事故データで見る本当の危険
「少し膨らんでいるだけだから大丈夫だろう」という判断が、最も危険な考え方です。実際の事故データを見れば、その判断がどれほど危ういかが分かります。
NITEが公表した事故件数と発生状況
NITEが2025年6月に公表した最新データによると、2020年から2024年の5年間に報告されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は合計1,860件にのぼります。そのうち約85%(1,587件)が火災事故に発展しています。
製品別ではモバイルバッテリーが最も多く、2024年には2022年比で2倍以上に増加しています。また、NITEが2025年3月に実施したアンケート調査(全国15〜89歳の男女19,297名対象、有効回答761件)では、ヒヤリハット・事故経験の内容として「膨らんだ(変形した)」が最多(175件)でした。次いで「熱くなった(161件)」「発火した(64件)」と続きます。
事故は気温の上昇とともに増加する傾向があり、6〜8月にピークを迎えます。夏場は特に注意が必要です。
出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」(2025年6月)
発火・爆発が起きる3つのトリガー
膨張したバッテリーが実際に発火・爆発するのは、以下の3つの状況が引き金になります。NITEの事故事例から確認された具体的なトリガーです。
- ① 物理的な外力(圧迫・押し込み):膨らんだバッテリーを元に戻そうと押し込んだ際、内部電池セルに外力が加わって内部ショートが発生し、異常発熱・発火に至った事故が2021年9月(沖縄県)に実際に起きています。「膨らみを直そう」とする行為が最も危険です。
- ② 高温環境への放置:夏の車内など高温環境への放置により、内蔵リチウムイオン電池セルが異常発熱して発火した事故が2023年8月(熊本県)に発生しています。
- ③ 膨張状態での過充電継続:膨張した状態でさらに充電を続けると、電池への負荷が増大し、内部にたまった可燃性ガスが発火するリスクが急上昇します。
出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」(2025年6月)
「少しくらい使っても大丈夫」が一番危ない理由
膨張は、内部でガスがすでに蓄積されているサインです。この段階で「まだ使える」と判断するのは危険です。膨張の段階別リスクを以下の表で確認してください。
| 膨張の状態 | 内部の状況 | リスクレベル | 取るべき行動 |
|---|---|---|---|
| わずかに膨らんでいる(触れば分かる程度) | 可燃性ガスが蓄積し始めている | ⚠️ 要注意 | 即使用中止・処分手続きへ |
| 目視でも明らかに膨らんでいる | ガスが大量蓄積・電池劣化が進行 | 🔴 高危険 | 触れずに安全な場所へ移動・相談 |
| 外装が変形・破損しそうなほど膨らんでいる | 発火・破裂の一歩手前 | 🚨 緊急 | 触らず・密閉せず・119番も視野に |
どの段階でも「まだ使える」という判断は禁物です。膨張が確認できた時点で使用中止が唯一の正解です。
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膨張に気づいたら今すぐやること【5分でできる安全確保】
「発見した。でも、どうすればいい?」という不安に、手順を追って答えます。難しいことは何もありません。5分でできる安全確保のステップです。
マダリ
スポーツ選手だって試合前に体温上がるでしょ。
だから今、抜くのはもったいないよ。
充電ケーブル抜いたら、やる気も一緒に抜けちゃう。
ステバン刑事
それは「熱暴走」の初期段階だ。
リチウムイオン電池は内部温度が約80℃を超えると連鎖的な発熱反応が始まる。
セパレータが溶けて正極と負極が直接接触し、一気に数百℃まで上昇する。
やる気じゃない。遺書だ。
今すぐケーブルをコンセント側から抜いてもらおうか。
触っていい?まず確認すべき3つのこと
最初に現状を確認しましょう。以下の3点をチェックしてください。
- ① 外装の状態:破損・亀裂・液漏れがないか確認します。液漏れがある場合は素手で触れず、ゴム手袋を使用してください。
- ② 発熱・異臭の有無:触れる前に近づけて熱さや異臭(甘酸っぱい溶剤臭)を確認します。発熱・異臭がある場合は距離を置いて119番に相談してください。
- ③ 使用中・充電中でないか:充電ケーブルが接続されている場合はコンセントから先に抜いてください。バッテリー本体より先にコンセント側を外すのが安全です。
自宅での一時保管の正しい方法
すぐに処分できない場合(回収場所が閉まっている夜間など)は、以下の方法で一時保管します。
- 容器:金属製の缶(乾燥した砂や猫砂を入れると◎)か不燃性の容器に入れます。プラスチックの密閉容器は不可です。
- 置き場所:直射日光・熱源・可燃物から離れた風通しの良い場所(ベランダなど)に置きます。室内の押し入れや車内はNGです。
- 絶縁処理:端子部分にテープ(絶縁テープが理想、なければビニールテープ)を貼ってショートを防止します。
- 期間:一時保管はあくまで翌日の処分までの応急処置です。長期保管は避けてください。
絶対にやってはいけないNG行動
膨張したバッテリーに対してやってはいけないNG行動が3つあります。いずれも発火・爆発を引き起こす直接の原因になります。
- ❌ 穴あけ・分解:「ガスを抜こう」と穴を開けるのは最悪の行為です。電解液(可燃性)が噴出し、空気に触れて即座に発火するおそれがあります。
- ❌ 水没・水洗い:保管目的での水没は電気系統のショートを引き起こします。(なお発火後の消火目的での注水はNITEが推奨していますが、これは発火前の保管とは全く別の話です。)
- ❌ 圧迫・押し込み:「元に戻そう」と力を加えることで内部ショートが発生し、発火した事故が実際に起きています。絶対にやめてください。
マダリ
それって結局、この子に「何もしてあげられない」ってことだよね。
何もできないまま手放すしかないの、つらいな。
ステバン刑事
だが「何もしない」が、唯一キミと家族を守る行動なんだ。
一度分解された電解液は化学的に元に戻らない。
不可逆という言葉の意味を、ここで覚えてもらおうか。
処分一択。それが最後にできる、正しい別れ方だ。
「復活」「ガス抜き」は可能か?
膨張したリチウムイオン電池は復活しません。ガス抜きも不可能です。これは断言できます。
膨張の原因は電解液の化学的な分解であり、一度分解された電解液は元には戻りません。外見上の膨らみを何らかの方法で戻したとしても、内部の劣化・ガス蓄積状態は変わらず、むしろその操作自体が発火リスクを高めます。「膨張バッテリーを直す方法」という情報をネットで見かけることがありますが、公的機関は一切推奨していません。処分一択です。
出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」(2025年6月)
膨張したバッテリーの正しい捨て方・処分ルート完全マップ
「どこに持っていけばいいか分からない」という声が最も多い部分です。処分ルートを優先順位付きで整理します。今日中に動けるよう、具体的な手順でお伝えします。
このバッテリー3,000円もしたの。
あと半年使えば「1日あたりのコスト」がもっと下がるから、まだ損益分岐点に到達してないの。
経済的に考えて、今手放すのは不合理だよ。
ステバン刑事
NITEのデータでは、ごみ処理過程での電池発火による被害額が年間100億円を超えている。
キミの3,000円の損益分岐点のために、収集車1台が燃えれば数千万円の損害だ。
端子にテープを貼って絶縁処理をして、JBRCの回収協力店か自治体窓口へ持ち込む。
それが一番コストの安い選択なんだ。
まず確認:普通ゴミで捨てると何が起きるか
モバイルバッテリーを普通ゴミや不燃ゴミとして出すことは、ほぼすべての自治体で禁止されています。理由は明確です。ごみ収集車の中でゴミが圧縮される際、バッテリーに強い外力が加わって内部ショートが発生し、車内で発火する重大事故が全国で相次いでいるためです。
NITEの調査では、ごみ処理過程における発火等の被害額が100億円を超えるとのデータも報告されています。「自分一人くらい」の油断が、収集作業員の命を危険にさらします。必ず正しいルートで処分してください。
出典:NITE「リチウムイオン電池のごみ処理過程における発火事故」(2023年6月)
JBRC回収ボックスの探し方・使い方ステップ
最も確実な処分ルートは、一般社団法人JBRCが設置する小型充電式電池回収ボックスへの持ち込みです。家電量販店やホームセンターなど、全国に広くネットワークがあります。
重要な注意点として、JBRCの公式サイトには「膨張や水濡れした電池は回収対象外」と明記されています。膨張したバッテリーは通常の回収ボックスには投入できません。まず持ち込む前に店舗スタッフへ状況を説明して相談してください。
通常の(膨張していない)使用済みバッテリーを処分する場合の手順は以下の通りです。
- JBRCの「協力店・協力自治体」検索ページ(jbrc.com)にアクセスする。
- 現在地や郵便番号を入力して最寄りの回収協力店を検索する。
- バッテリー本体の端子部分にテープを貼って絶縁処理をする。
- 協力店のスタッフに声をかけて回収ボックスへ投入する(投入前に状態を確認してもらうと安心)。
なお、JBRCへの回収対象はJBRC会員企業製のバッテリーに限ります。メーカー不明品や海外の非会員企業製品は対象外となる場合があります。
出典:一般社団法人JBRC「全国の小型充電式電池回収ボックス設置場所」 / JBRC「小型充電式電池のリサイクルフロー(回収対象・対象外について)」
近くに回収場所がない場合の代替ルート
JBRCの協力店が近くにない場合や、膨張品で持ち込みを断られた場合の代替ルートです。
- メーカー回収:AnkerやCIOなど主要メーカーは自社製品の回収・引き取りサービスを提供しているケースがあります。購入したメーカーの公式サイトまたはカスタマーサポートに問い合わせてください。
- 携帯キャリアショップ:NTTドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアショップでは、自社関連製品のリサイクル回収を行っている店舗があります。事前に電話で確認してから持ち込むと確実です。
- 家電量販店の独自回収:ヨドバシカメラ・ビックカメラ・ケーズデンキなどは独自の回収プログラムを設けています。膨張品の受け入れ可否は店舗によって異なるため、事前確認が必要です。
状態が悪すぎて持ち込めない場合は?
外装が破損している、激しく膨らんでいる、液漏れしているなど、状態が深刻な場合は自分で持ち込もうとせず、以下を検討してください。
- 自治体への相談:お住まいの市区町村の環境・ごみ担当窓口に電話して状況を説明してください。特別回収の案内や、担当部署への引き渡し方法を教えてもらえます。
- 産業廃棄物処理業者:個人での依頼は費用がかかりますが、深刻な状態の場合は専門業者への相談が最も安全です。「リチウムイオン電池 産廃 回収 ○○市」で検索すると対応業者が見つかります。
- 119番への相談:発熱・異臭・変形が著しい場合は、消防署に電話で相談することも選択肢です。安全な処置方法を教えてもらえます。
出典:国民生活センター「回収対象外のモバイルバッテリーの処理に関する情報提供」
寿命はどれくらい?買い替えタイミングの正しい判断基準
膨張を未然に防ぐために、モバイルバッテリーの寿命を正しく把握しておくことが重要です。「まだ使えそう」の感覚に頼らず、客観的な指標で判断しましょう。
モバイルバッテリーの平均寿命と充電回数の目安
リチウムイオン電池の寿命は、一般的に充電サイクル約300〜500回が目安とされています。充電サイクルとは、0%から100%まで充電する1回分を指します。毎日1回充電する使い方であれば、おおよそ1〜2年が買い替えの目安です。
充電を繰り返すと最大容量が徐々に低下し、300〜500サイクル程度で最初の容量の約80%程度まで低下するとされています。容量が80%を下回ると、充電頻度が増えて劣化も加速します。使用頻度が高い方は1年を目安に点検することをおすすめします。
膨張以外の「寿命サイン」チェックリスト
膨張は最もわかりやすいサインですが、それ以外にも寿命を示すサインがあります。以下に1つでも当てはまる場合は買い替えを検討してください。
- フル充電してもスマートフォンを以前より少ない回数しか充電できない(容量の著しい低下)
- 充電中や使用中に本体が以前より熱くなる(異常発熱)
- 充電が途中で止まる、または充電できなくなった(充電不能)
- 充電インジケーターの動作がおかしい(表示の異常)
- 購入から2年以上が経過している(経年による劣化)
- 強い衝撃(落下・圧迫)を与えたことがある(物理的ダメージ)
寿命を延ばすための正しい使い方4原則
正しい使い方を守れば、リチウムイオン電池の寿命は大幅に延びます。今日から実践できる4つの原則です。
- ① 保管温度を守る:高温(40℃以上)・低温(0℃以下)の環境への放置を避けます。夏場の車内や直射日光の当たる場所は厳禁です。
- ② 充電率を適切に保つ:20〜80%の範囲での使用が電池に最も優しいとされています(諸説あります)。常に0%まで使い切る・100%で充電し続けるのはどちらも劣化を早めます。
- ③ 充電しっぱなしを避ける:フル充電後もケーブルを挿し続けると過充電状態になり、電解液の分解が進みやすくなります。充電が完了したらケーブルを抜く習慣をつけましょう。
- ④ 使わないときは適度に放電して保管:長期間使わない場合は40〜60%程度の充電状態で保管するのが理想的とされています(諸説あります)。満充電や完全放電状態での長期保管は劣化を促進します。
「そろそろ買い替え時かも」と感じたら、次のセクションで紹介する編集部厳選の安全バッテリー5選を参考にしてみてください。→ 安全・長持ちモバイルバッテリー5選を見る
次こそ失敗しない!安全なモバイルバッテリーの選び方
膨張トラブルを経験した方が次に直面する悩みは「何を基準に選べばいいか分からない」です。「信頼できるメーカーを選ぼう」で終わらない、具体的な判断軸をお伝えします。
PSEマークが意味すること、具体的な試験内容
PSEマーク(〇PSE)は、電気用品安全法(PSE)に基づく適合マークです。モバイルバッテリーは2019年2月以降、このマークのない製品の販売が法律で禁止されています。
PSE取得のために製品がクリアしなければならない試験には、主に以下が含まれます。
- 過充電保護試験:設計上限電圧を超えても安全保護回路が正常に機能するかを確認します。
- 短絡(ショート)保護試験:出力端子が短絡された状態でも発火・破裂しないかを確認します。
- 過放電保護試験:過度な放電による電池劣化・発火リスクに対する保護機能を確認します。
- 温度保護試験:異常発熱が起きた際に自動停止する機能の有無を確認します。
PSEマークがあることは安全性の最低条件です。マークの有無を必ず確認してから購入してください。
出典:経済産業省「電気用品安全法 トピックス|モバイルバッテリーについて」
長持ちバッテリーを選ぶ3つの指標
PSEマークを確認した上で、さらに以下の3つの指標で品質を見極めましょう。
- ① セルの品質(国産・韓国産セルを採用しているか):電池セルの品質はバッテリー寿命に直結します。Anker・CIOなど主要メーカーは高品質なセルを採用しており、製品仕様ページに記載があることもあります。
- ② 保護回路の充実度:過充電・過放電・短絡・温度上昇のすべてに対応した多重保護回路を持つ製品を選びましょう。製品仕様の「保護機能」欄で確認できます。
- ③ メーカー保証期間:保証期間が18ヶ月〜24ヶ月あるメーカーは品質への自信の表れです。万が一の際のサポート体制(日本語対応・連絡先の明記)も必ず確認してください。
容量・出力・サイズで選ぶポイント
用途に合ったスペックを選ぶことも、長く安全に使うための重要なポイントです。
| 用途 | 推奨容量 | 推奨出力 | サイズ感 |
|---|---|---|---|
| 日常の緊急用(カバンに常備) | 5,000〜10,000mAh | 15〜20W | 手のひらサイズ |
| 旅行・1泊2日の外出 | 10,000〜20,000mAh | 20〜30W | 文庫本サイズ |
| ノートPC・複数台充電 | 20,000mAh以上 | 65W以上(PD対応) | 大型・重量あり |
| アウトドア・防災用 | 20,000mAh以上 | 30W以上・ソーラー対応も◎ | 耐衝撃設計が理想 |
過剰なスペックは不要です。日常使いなら10,000mAh・30W前後が最も使い勝手と安全性のバランスが取れています。
出典:経済産業省「電気用品安全法 トピックス|モバイルバッテリーについて」
🛍️ 安全・長持ちモバイルバッテリー|おすすめ5選【2026年版】
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よくある質問(FAQ)
膨らんだまま充電したらどうなる?
即座に充電を中止してください。膨張した状態での充電は、内部にたまった可燃性ガスへの電気的負荷を増大させ、発火リスクを飛躍的に高めます。NITEも「充電・使用中に膨らんでいることを確認したら、すぐに充電・使用を中止すること」と明言しています。「あと少しだけ」は絶対に許されない状況です。充電ケーブルをコンセントから抜いて、本記事の処分手順に従って速やかに処分してください。
出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」(2025年6月)
膨張は保証対象になる?
メーカーや原因によって対応が異なります。通常使用での膨張(製品の初期不良・品質起因)であれば保証対象になる場合があります。一方、過充電・落下などユーザー起因と判断された場合は対象外となることが多いです。まずは購入したメーカーのカスタマーサポートに連絡して状況を伝えてみましょう。Ankerは18ヶ月保証、CIOは購入日から1年保証など、主要メーカーは一定の保証期間を設けています。保証書・レシート・購入履歴を用意した上で問い合わせるとスムーズです。
膨張したバッテリーを航空機に持ち込んでいい?
絶対に持ち込めません。航空法および国際航空運送協会(IATA)の規定により、膨張・損傷したバッテリーの航空機への持ち込み(機内持ち込み・受託手荷物ともに)は禁止されています。正常なモバイルバッテリーも預け入れ荷物(貨物室)には入れられず、機内持ち込みのみ可能(容量制限あり)というルールがあります。膨張品は航空機に持ち込む前に必ず処分してください。旅行出発前にバッテリーの状態を確認する習慣をつけることをおすすめします。
まとめ|膨張バッテリーは「今日中」に動く
ステバン刑事
膨らんだバッテリーは「いつ発火するか」ではなく「発火するかどうか」の段階をすでに過ぎている。
あとは「いつ」だけだ。
だから、今日動くんだ。
マダリ
今日、ちゃんと回収場所を調べて持っていく。
でも次に買うバッテリーは、PSEマークと保護回路と保証期間、ちゃんと全部確認してから選ぶの。
今度の子とは、長く一緒にいたいから。
※マダリはその翌週、新しいバッテリーに「がんばれシール」を貼り、充電のたびに「よくできました」と声をかけていた。
この記事で解説した内容を最後に整理します。
モバイルバッテリーの膨張は、電解液の化学的分解によって可燃性ガスが蓄積した状態であり、発見した瞬間から発火リスクが存在します。NITEのデータが示すように、2020〜2024年の5年間で1,860件ものリチウムイオン電池関連事故が起きており、モバイルバッテリーが最も多い製品カテゴリです。
膨張を発見したらすべきことは明確です。①即使用中止、②充電ケーブルを抜く、③金属缶など不燃容器に入れて安全な場所に保管、④翌日中にJBRC回収協力店や自治体へ相談して処分——この4ステップを今日中に実行してください。
「穴を開けてガスを抜く」「押し込んで元に戻す」「水に浸ける」はいずれも発火・爆発を引き起こす危険な行為です。復活や修理は不可能であり、処分一択であることを改めて強調します。
そして次のバッテリーを選ぶ際は、PSEマーク確認・保護回路の充実・日本語対応のメーカーサポートの3点を必ずチェックしてください。安価な規格外品が最終的に高いリスクをもたらすことは、今回の経験からよく分かっていただけたはずです。
膨張バッテリーへの対応は「明日やろう」では遅すぎます。今日中に動くことが、あなたと家族の安全を守ります。
出典:NITE「リチウムイオン電池搭載製品の火災事故を防ぐ3つのポイント」(2025年6月)
出典:一般社団法人JBRC「全国の小型充電式電池回収ボックス設置場所」
出典:JBRC「小型充電式電池のリサイクルフロー(回収対象・対象外について)」
出典:経済産業省「電気用品安全法 トピックス|モバイルバッテリーについて」
出典:国民生活センター「回収対象外のモバイルバッテリーの処理に関する情報提供」

